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山林用苗木の画期的生産システム|ルーピングしない苗木の生産(空中育成)

1.本システムの特徴
①ポット素材に分解性不織布を使い、それを空中育成する事により、空気の流通が良く根腐れによる発育障害の心配はなくポット内一杯に細根が広がります。

②分解性不織布素材の円錐形ポットを使い空中育成する事により、苗木の伸びてきた直根がポットの底を突き抜けて出て来ます。(突き抜けて出て来るよう設計しています)その部分は水分が吸収されないので枯れてしまいます。
又、直根より根が再生して伸びてきて、枯れるという繰り返しで直根性を失わない苗が育ちます。

③分解性不織布を使用して育成した苗木なので苗の移動中に土がくずれたり、ポットが破れる心配などが無く、ポットに入ったまま植込みが出来、その後の成長も良いです。

(図①)
2.本システムの長所
①根張りの良い苗木が出来ます。
②生産管理に便利性が出ます。
③活着も良く植苗後の成長も良いので、造林コストも安くなります。
(ループ苗にならない事により移植後の成長が早いので、1年下刈りを短縮出来ます。移植数年後、風による幼木の倒伏の心配が激減します。)
④苗木の製品率が良いです。根腐れ無く細根も多く出て、直根球性の有る良苗が出来ます。
3.今回開発した資材
◆分解性不織布を使い、ポットの形を苗木の直根性が失われない様に、円錐形にしました。
(実用新案登録第3177890号・特許出願 特願2009-205953審査請求中)

◆分解性不織布を2枚重ねにして袋状にしました。
しかも、一枚をずらすことによりポットを取り易くしています。普通のポットの2~3倍早く出来ます。 (図②)

◆直根性が失われない苗木を生産するとなると円錐形ポットでなければなりません。そうなると市販されている資材では対応できず、専用の育成トレーを開発しました。(特許出願中)
◆大きさは培土350ccを中心に考えて作りましたが、300cc~400ccぐらいの大きさのポットにも対応できます。ポットの間隔を10cmにしています。
◆この育成トレーの上部を塞いでいるのは、この育成システムの乾き易いという欠点を少しでもカバーするためです。また升目にてポットに向かって傾斜をつけているのは灌水した水、追肥した液肥、散布した追肥等が無駄無くポットに集まる為の設計です。 (図③)
4.育成の流れ
①育苗準備
【棚方式】・・・育成法は空中育成を主体にしていますので、現在の所は棚方式を考えています。
パイプ代、人件費で設備費が高くつく欠点が有ります。しかし長期使用するなど便利性を考えると、これも一方法だと思います。一例として説明しますので参考にして下さい。
鳥居形の台をパイプで作ります。
育成台の高さは50cm位を考えていますが、次の台との間隔巾は、搬入搬出追肥、防草防除の管理作業、又、風の吹く場所等考えて決めて下さい。 (図④)

鳥居形の台(育成台)の中のパイプは縦に張るパイプの太さによりますが125cm~126cmに切ります。
育成台の巾は120cmを基本にしていますから育成トレーに合わせる様設置して下さい。それを台の上に張る縦のパイプの両端にあるパイプを固定するのにクロスワン(十字金具)で固定します。

その際、端がたくさんでると管理作業中に引掛り、キズつきます。出来るだけクロスワンで固定しても端がでない様気を付けて下さい。少数の場合はウエストを包む事もできますが、多量の場合はセッタープラグを使用して下さい。(園芸資材店に問合せて下さい) 鳥居形の台にする横パイプと打ち込んだ柱とを固定するには、ユニバーサルジョイントかUTバンドを使用して固定します。(園芸資材店に問合せて下さい)

鳥居の柱の長さは、好みの高さと設置する畑の深さ、固さによって決めて下さい。

打込が弱いと育成中にポットの重さで棚がズリ込む事が有ります。
それを防止する方法として、柱にズリ込防止板か地面にパイプを横に張り、柱とパイプをクロスワン(十字金具)で止める方法も有ります。育成台の高さは50cm位を考えていますが、次の台との間隔巾は、搬入搬出追肥、防草防除の管理作業、又、風の吹く場所等考えて決めて下さい。 (図⑤)
◆これができたら、いよいよ縦のパイプを張ります。
一列に7本のパイプを配り、育成トレーに合わせて鳥居の横のパイプに固定します。これにクロスワンを使用しますと早くできます。ただし、全部する事はなく要点のみで良いと思いますが、縦パイプをしっかり固定しないと風や重さで育成トレーがはずれる事がありますから気を付けて下さい。固定は麻縄で固定する事ができますが、結ぶ事の不得手な方は、クロスワンを使用されたら早いと思います。

(※秋になり降雪地帯では、この縦パイプは全面地面におろす必要が有りますから、取り付け、取り外し作業がいかに早くできるか考えて下さい。)
【灌水】
空中育成→乾き易い→多灌水→タイマー付自動灌水装置の設置を推奨します。
【ポットに土を入れる方法】
◆二枚重ねの円錐形ポットで土が入れにくいと思われますが、早く簡単に作業ができる様改良しました。1時間当り普通で900ポット~1,000ポットの土入れが可能です。手早い方であれば1,200ポット~1,300ポットはできます。鳥居の柱の長さは、好みの高さと設置する畑の深さ、固さによって決めて下さい。

打込が弱いと育成中にポットの重さで棚がズリ込む事が有ります。
それを防止する方法として、柱にズリ込防止板か地面にパイプを横に張り、柱とパイプをクロスワン(十字金具)で止める方法も有ります。育成台の高さは50cm位を考えていますが、次の台との間隔巾は、搬入搬出追肥、防草防除の管理作業、又、風の吹く場所等考えて決めて下さい。 (図⑥)
◆これに直接、種を播種するか小苗を植え付けます。
直接播種の様子
①育苗から出荷・定植まで
【灌水】
◆路地に出して育成に入ったら、先に説明した様にポットが乾き易いので灌水は毎日行って下さい。特に夏は1日2~3回灌水する事も有ります。又、秋に入っても乾く事も有りますから気を付けて下さい。軽量化の為、作土を少なくしているので苗が充分大きくなり葉も沢山付くと乾き易いです(但し、この短所を補う為に、棚に黒マルチを廻す事も乾きを防ぐ一方法です。)

【追肥】
◆普通培土の混合時に暖行性肥料も混合しますが、少ない培土で育成させますので追肥が必要な時も有ります。暖行性の置肥や液肥、低濃度有機性散肥が有ります。
◆冬期間の管理 (※注意事項)
棚育成の欠点ですが冬期にそのまま置く事はできません。雪の降る地方、寒気が強くポットの凍る地方、風が強く乾燥する地方、それぞれの地方で対応を考えて下さい。縦に張ったパイプも、雪の多い地方は棚より降ろして地面に寝かせて下さい。

【出荷】
◆出荷の荷造りの単位、山で持ち運び易い単位にしたら、その単位で根が傷まない様、乾かない様にラップに包んで梱包します。これも一つの参考にしてそれぞれの地方で考案して下さい。

【山に定植】
◆この苗木のポットは分解性不織布の為、土中に埋めても2年~3年で完全に分解しますのでそのまま植え込んで下さい。
◆ポットの大きさを350ccの量にして形も円錐形にしていますから、一鍬植えが可能で植え易いです。
◆植え付けの際に注意する事
植え付けたポットの周囲に土が密着する様に植えて下さい。(根を早く土に伸ばす為)
ポットの下方も必ず土に密着させて植えて下さい。(直根が早く伸びます)
ポットの素材が地表面に出ない様、少し深く植えるか土で覆って下さい。(ポットの乾燥を防ぐ為)

【植え付ける道具】
スコップ形、穴掘り形、鍬形が考えられますが、これも土質場所により長所短所が有る様です。日本の従来使用している唐鍬は固い土質でも、柔い土質でも斜面の所などに対応できる便利な道具ですが、土質によっては、他の道具の方が倍早く植えられた事も有ります。植付けをされるベテランの作業員の方の道具の使い慣れた好みも有りますが、土質や場所により、それぞれの道具を使って効率のよい作業ができる様工夫して下さい。

  • 図①
  • 図①
  • 図②
  • 図②
  • 図③
  • 図③
  • 図④
  • 図④
  • 図⑤
  • 図⑤
  • 図⑥
  • 図⑥


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